2011年12月22日木曜日

「クリスマスにはネクタイをしよう。」by yamanashi tie creators

日本一のネクタイ産地、山梨のネクタイ職人たちによるネクタイ展が、南青山のユトレヒト/ナウアイディアで開催中です! ※~12/25(日)
山梨でネックウェアを生産する10社で構成する”yamanashi tie creators”による、クリスマスをテーマにした展示会です。
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NO TIE, YOU DIE. YAMANASHIネクタイフェア
「クリスマスにはネクタイをしよう。」by yamanashi tie creators

2011年12月20日(火)~25日(日)
*クロージングパーティー(ネクタイクリスマス会):12.25(Sun) 17:00~20:00
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場所|UTRECHT / NOW IDeA  東京都港区南青山5-3-8 パレスミユキ2F
営業時間|12:00~20:00
主催|山梨県絹人繊織物工業組合: http://www.notie-youdie.com/

25日(日)には、ネクタイをしめてクリスマスの夜を祝う、クリスマスパーティも開催されます。
山梨名産の”一升瓶ワイン”も登場する予定。

ワインを片手に、織物職人たちと交流するチャンスです。

ネクタイは会場で購入できるので、ノーネクタイでもOK!

山梨の上質なネクタイとワイン、そしてクリスマスを楽しむイベント、
ぜひお越しください!


NO TIE, YOU DIE. YAMANASHIネクタイフェア公式サイト
www.notie-youdie.com




2011年12月14日水曜日

キラキラ金襴 光織物

客員研究員の鈴木淳氏と共に光織物限会社に行ってきました!

光織物は金襴織りを得意とする織屋さんです。
金襴織りとはアルミなどの金属を蒸着させた糸を織り込むことでつくる、絢爛豪華な織物です。光織物では、スペシャルな金襴生地のラインとして、金箔を貼った和紙をスリットして作る糸を使った金襴も織っています。
また、金襴織物の他にも、ジャカード織りを使った掛軸の生地や仏具の生地なども作っており、その高い技術力には定評のある機屋さんです。

シケンジョでは「織物企業ブランド力向上サポートプロジェクト」の中で、9月から鈴木淳氏と共に、光織物の新商品を企画するべくミーティングを重ねてきました。今回のミーティングではデザイナーさんも交え、新商品開発に向けてブレインストーミングをし、深く光織物の本質を探っていきました。

光織物で織られている金襴織物。 

 

ジャカード織の生地を使った、掛軸。

最後は神頼み。スーパーパワースポット、浅間神社で神さまからのアイデアも仰ぎます。


何かの生まれそうな予感を残しつつ、ミーティング終了。
これからも、シケンジョでは鈴木淳氏と共に新商品開発に向けサポートをしていきます。
乞うご期待!


(高須賀)






2011年12月13日火曜日

濡れ巻きツアー 機屋編③

長い工程を経て、たてられたタテ糸は、ようやく織機にセッティングされます。
今回は特別に宮下織物株式会社の協力で、濡れ巻きのタテ糸を織る現場も見せて頂くことが出来ました。宮下織物ウェディングドレスの生地を専門に織る機屋さんです。ウェディングという人生の特別な瞬間に着るドレスは、スペシャルなよい生地を求める声もあり、デザイナーさんの中には濡れ巻きの美しい光沢感を必要としている方もいます。

普通、白くて無地の生地ほど作るのが簡単だと思われていると思うのですが、実はその逆で、白の無地が一番難しいとされています。無地のモノは柄がある織物に比べ織った時にできる傷が目立つため、柄がある織物より織るのが大変なのです。特にウェディングの生地は一切の傷があってはいてはいけない生地なので、特に熟練の織り手の技が必要となります。

濡れ巻き職人たちがたてたタテ糸はこの様な形で織り機にかけられます。
様々な職人の手を経て一枚の生地が出来あがっていきます。

ドビー織機

シャットル織機

こちらは濡れ巻きではないのですが、宮下織物が得意とするジャカード織の生地。
美しい光沢と繊細な織り柄が特徴です。


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以上、濡れ巻きツアーを行った時のレポートでした。
濡れ巻きは手織りの技術が工業織りと結びついた大変貴重な技術です。また、濡れ巻きに関係する職人も高齢化が進み、いまや数えるほどしか濡れ巻きの技術者はいないため、これからどれぐらいの間、濡れ巻きが存続できるかもわかりません。

これからも、シケンジョではこの貴重な技術「濡れ巻き」を画像や映像にして記録を取って行こうと思います。



(高須賀)




2011年12月12日月曜日

濡れ巻きツアー 機巻き職人編②

経枠(へわく)職人の作った経玉(へだま)は染色された後に、機巻き職人の手に渡ります。
機巻きとは織機に糸をのせるための最後の作業です。生地幅にタテ糸をならべ、織機にかけた時の張力のムラが出ないように男巻(おまき)注1:)に巻いていきます。

注1:タテ糸を一様に一定の長さに巻き付けた円筒。何千~何万本の糸が巻かれている。タテ糸を準備する工程を「整経」という。

機巻き職人の作業を見せてもらっています。
作業する場所はというと、なんとただの廊下!機械織りにかけられるタテ糸が家の中でできているなんて、誰が想像できるでしょうか?

 まず「組み込み」という作業から始まります。
「組み込み」は四つある経玉(へだま)の糸を、一定の法則で糸を交ぜていきます。この作業をすることにより、織機にかけた時の張力のムラや色のムラを防ぎ、平らで美しい布を織ることが出来るようになります。
一本一本の糸は細すぎて見えないため、すべて職人の手の感触だけが頼りです。それにしても素早い手さばきでした。早すぎて、見ていても何が行われているのかすら分かりません。

生地の幅に糸を合わせるために、仮の筬(おさ)に糸を入れていきます。





ここでハプニング!
突然、天井から雨漏りが!!

しかし、この様な湿った天気の日は機巻きの作業には最も適した日らしいと、職人は話してくれました。湿度が高いことで糸が乾燥せず、静電気が起こらないため、美しくタテ糸を巻くことが出来るらしいです。

気を取り直して、作業再開!!

特殊な台車を使い廊下の端から端までタテを引き伸ばします。
糸の絡みをほどきながら、男巻(おまき)に巻いていきます。


惚れ惚れするほど美しい、タテ糸!!

ここで男巻(おまき)に巻かれたタテ糸はようやく織機にセットされ、布を織ることが出来るのです。


機屋編につづく

(高須賀)




2011年12月9日金曜日

濡れ巻きツアー 経枠職人編①

帝京大学山梨文化財研究所の客員研究員をつとめる中田節子先生がご自身も所属している、民具製作技術保存会(民技会)のメンバーと共に濡れ巻きの見学にいきました。

民技会とは、むかし各地にあった家を移築し川崎市立日本民家園」という野外博物館のなかにある組織です。民具の復元と技術の伝承を行う任意団体で、昭和48年に設立されました
今回は手織りの技術とは違うのですが、手織りと機械織りのちょうど中間に位置している郡内織物産地独自の「濡れ巻き整経」を見学していただきました。
濡れ巻きとは、郡内織物産地にしかないタテ糸整経技術であり、濡れ巻きに関係する技術者もどんどん少なくなってきている為、大変貴重な技術です。

まずは今の郡内織物産地のルーツになっている、幻の手織り技術「甲斐絹」の資料を見て頂きました。甲斐絹とは先染め、長繊維の絹織物で、着物の裏地などに使われていましたが、その技術は時代の流れにのまれ、途絶えてしまいました。


↓ 甲斐絹について詳しい歴史や生地のデータはこちらのページから見ることが出来ます。
THE KAIKI MUSEUM


さて、最初の見学先の経枠(へわく)屋さんに来ました。
ここでは機にタテ糸をたてるための糸を引きそろえていきます。


こちらは木枠にまかれた糸。ここからタテ糸を整経していきます。


 経枠(へわく)職人。グルグルと糸を巻き取っていきます。
長い時には200m以上のタテ糸を巻き取るらしいです。






巻き取りが終わると、織物の要でもある綾(あや)を取っていきます。綾を取ることはとは、糸の順番がバラバラにならないようにするということです。説明が難しいのですが、とにかく織物にとって綾はなくてはならないものなのです!
日本人の名前によく「綾」という字が使われるのも、日本人がいかに繊維産業と共に生きてきたかということがうかがい知れるかと思います。


この針金で綾を取っていきます。


今回は特別に綾の取り方を体験させていただきました。
職人さんが簡単そうにやっていることも、いざ自分でやってみると、その難しさが分かります。


シケンジョの五十嵐リーダーも真剣です。静止画で見るとちょっと職人っぽいかも?!






綾を取り終えると、今度は長すぎるタテ糸を鎖編みにしていきます。


リズミカルに鎖編みにしていきます。手首のスナップが重要です。


見る見る間に長いタテ糸が編まれていきます。


次は鎖編みにしたものを固く巻いていき経玉(へだま)を作っていきます。
完成した経玉。
こうすることにより糸を運搬しやすくします。

経玉は染め屋さんで染色され、次の工程「機巻き(はたまき)」職人の手に渡ります。




機巻き職人編へつづく!

(高須賀)




2011年12月8日木曜日

FUJIYAMA TEXTILE PROJECT 2011

三年目を迎えたFUJIYAMA TEXTILE PROJECTの展示発表が東京デザイナーズウィークで行われました!


今年も富士吉田の織物産地8社と東京造形大学の学生8人がペアーになり、今までにない繊維製品を作るべく、7月よりプロジェクトに取り組んできました。
展示発表は多くの方に見てもらう為に11月1日~6日に開催されたデザインの祭典、東京デザイナーズウィークで行われました。
そしてそこで、なんとFUJIYAMA TEXTILE PROJECTのブースの中から、アクス株式会社と白木滋さんペアーの作った「毒」をデザインした服地が部門賞を受賞したんです!!!
これはすごい!!!!


では、今年のプロジェクトの成果を見てみてください!

白木滋×アクス株式会社

TITLE: 「毒」をデザインした服地

CONCEPT: 20代後半の男性に向けた服地、裏地の提案。自ら分泌する「毒」に寄り身を守るヤドクガエルをモチーフとし、身にまとう事によって男性20代後半からの人生に落ち着きと遊び心を与える新たな「毒」をデザインした。
井野若菜×舟久保織物



栗ノ丸幸子×株式会社宮下織物

吉川紗那×株式会社渡小織物





---------過去の展示の様子---------
FUJIYAMA TEXTILE PROJECT 2009

※写真:東京造形大学テキスタイル学科ブログより

(高須賀)




2011年12月7日水曜日

富士山麓の織物工場でつくり手に出会うバスツアー2011~講演会、交流会編

織物工場を一通り見終わった後はシケンジョに行き、今回のバスツアーの為に特別にお呼びした山本聖氏の講演会が始まりました。ここではバスツアーの参加者と郡内織物産地の方々に向けて、講演会をしていただきました。
講堂には40名以上もの人がシケンジョに集まり、満員御礼状態です。

山本聖氏は元小田急百貨店商品統括部マーチャンダイザーをされたのち、今は独立行政法人 中小企業基盤整備機構のプロジェクトマネージャーとして、全国の中小企業の支援活動を推進している方です。
今回の講演会ではつくり手と買い手が繋がる為に、どの様な考え方を持てばいいのかということを重点的に話していただきました。山本氏はモノを売ることを考えるときに、品質の良さはもちろんのこと、モノが含むストーリーを一番重要視しています。つくり手は自社で作っているモノに対するストーリー(生産背景、産地の歴史、作っている人などなど)をどれだけ意識してモノを作れたか、そして買い手のライフスタイルや環境の中にどの様にモノが存在していくのかを意識することで、モノは売れるようになるという内容でした。


講演会の後は、シケンジョに特別設置した地場産品の展示会とバスツアー参加者と産地の方々との交流会が行われました。

参加者の中には生地の生産現場を一通り見たことで、生地に対する思いが変わったという声も聞こえてきました。





シケンジョ客員研究員の鈴木淳氏の司会の元、バスツアー参加者全員に産地見学をしてみて、思ったことや感じたことを話し合いました。

今回のバスツアーでは参加した方々は繊維業に携わっている人がほとんどであった為、工場見学をしている時の質問や目線が鋭く、産地側にとっても、とても有意義な見学ツアーになったと思います。ツアーに参加していいただいた方々や協力していただいた機屋さんにはとても感謝しています。

バスツアーに参加者した方々も、各機屋さんを回り、職人さんと話を交わすことで、今まで感じることのなかった産地との距離感が縮まったのではないでしょうか?そして、ここからまた何か始まりそうな種を持ち帰ってもらえたなら、とても光栄です。


工場見学編

(高須賀)