2014年5月21日水曜日

『求められる産地のためのトレンドセミナー』 開催!

今年の4月…。
ヤマナシ織物産地には、県外から
若者が3名*という、
産地としては)
驚異的な人数のニューカマーがやってきました。

もちろんハタヤさんの新入社員として働くため、
ヤマナシに移住を決意してやって来たのです!


*もしかしたら他にも県外からのニューカマーがおられるかも知れません。とりあえずわかっている限りの数字です。

その他にも、以前こちらでご紹介した、ヤマナシに移住して自分たちのブランドを立ち上げた
デザイナー井野若菜さんと水野智章さんによる「炭酸デザイン室」も含めれば、総勢5名!

これは、小さな地方の繊維産地にすると、大変なことです。


なかでも
東京造形大学OBの比率は著しく高く、
5名のうち4名(80%)は、東京造形大学テキスタイルデザイン専攻の卒業生
また2名は、
東京造形大学とヤマナシ産地のコラボ事業
 「FUJIYAMA TEXTILE PROJECT」経験者です。


振り返ってみると、5年前に始まった「FUJIYAMA TEXTILE PROJECT」以来、

シケンジョで2年間働いた高須賀活良君、
4年前から宮下織物㈱で働く渡辺絵美さんを含めると 
東京造形大学はこの4年間で6名もの卒業生をヤマナシ産地に送りこんでいることになります。
いままさに、観測史上最大級のテキスタイルデザイナーの大移動が起こっていると言えるでしょう。

2014年は、数十年後のヤマナシ産地の年表には大移動の年として記されるに違いありません。



そんななか、シケンジョでは、それらニューカマー達をサポートするため
彼らを中心とした若手のための勉強会を
「技術者研修」として
4月から週2回ペースで開催しています。


そして平成26年5月13日(火)には、
4月から新しく客員研究員としてヤマナシ産地に来てくれた
トレンドユニオンの日本支社にあたるエデルコートイースト㈱代表、家安 香さんを講師として、

『求められる産地のためのトレンドセミナー』

と題したスペシャルなセミナーを開催しました!

シケンジョ客員研究員、家安 香さん。


トレンドユニオンは、トレンド情報を発信する世界的な企業のひとつで、
その日本での拠点を任されているのが家安さん。


家安さんの語る「トレンド」は、
近い将来の「流行」を予測・解説することというより、

市場の変化がなぜ生まれてくるのか、
暮らしにはいま何が起こっているのかを、

しっかりと分析して理解するという主体的な行為を重視しています。

市場の分析結果を使うのではなく、
いま目の前にある世界という「結果」を分析することに

力を注がなければいけないことを、
セミナーでは様々な事例をもとに解説してくれました。



たとえば「車」をデザインするというとき、

考えなくてはならないのは車の形の提案ではなく、
「車との生活」の提案であること。

まず自分の暮らしをとりまく身の回りの世界にたいして感覚を研ぎ澄ませよう、
変化の兆しを感じよう、というメッセージをいろいろな形でいただきました。



「自分たちの感じることを信じて、未来を作ること」


「新しい仕事を作ることは、新しい関わり方を提案すること」

「自分にしか読めないアプローチをすること」



いくつもの言葉が受講生たちの心に響いている様子…


セミナーには、都内から勉強に来たお二人(寺尾さん、茶畑さん)の姿もありました。

このお二人は、昨年モノマチに出展していた羽田忠織物さんに出会ったことがきっかけで
ヤマナシ産地の魅力にはまり、茶畑さんは昨年6月のバスツアーにも参加、
その後、ヤマナシ産地の生地を扱うビジネスを立ち上げようと産地に通ってくれている、

いわば筋金入りのヤマナシハタオリトラベラーです。




学ぶ若手の後ろ姿。

そして学ぶ若手の横顔。












メモを取る秋本研究員。
家安さんのレクチャーは、この数年分のトレンドユニオンによるプレゼンテーションを

45分ほどに凝縮したもので、相当密度が高い内容でした。

5月23日には、文化学園にて2015-16AWのトレンドセミナーが開催されます。
ご興味のある方はぜひ。



そして家安さんのスライドをまじえた第一部レクチャーのあと、
第2部はフリートークのワークショップとなりました。


この席にいる13名(家安さん以外)のうち、地元出身は5人しかいません。

こんなに大勢の若者が山梨を目指してくるのは、山梨で「トレンド」を考えるうえで

かなり重要なことです。

Q.なぜ山梨で仕事をしようと決意したのか?

その問いには、こんな答えがありました。


自然

 富士山がすばらしい

 自然のなかで仕事ができる

 空気がいい



 いい人が多い

 家族経営で雰囲気が暖かい

 ハタヤさんたちの独自性が強い

 田舎なのに閉鎖的じゃなくて開けている

モノづくり

 いろんな工場があって、なんでも作れそう

 作りたいものがすぐ作れる


地理

 東京に近い



自然だけでなく、人の魅力を感じて来た方が多いようです。

また、大きい会社とちがって、思ったことがすぐ形にできるモノづくり環境も
ヤマナシ産地の大きなポイントのようですね。

Q.逆に、ヤマナシに足りていないもの、もっと欲しいものは?

 発信力 (情報が少ない、どこで売っているか分からない、新製品が出ても分からない…)


 地元で作っているものを買える場所がない

 

魅力はあるのに、
そこにアクセスできる人、情報を受け取れる人がまだまだ限られているのは確かなようです。

(シケンジョテキも、もっと発信力をつけなくてはいけません)


この日のセミナー参加者のように、山梨にたどり着いて就職し、
ものづくりの人生を歩みはじめる人がどんどん増えてくるようになれば

ヤマナシ産地のポテンシャルはもっと上がっていくことでしょう。



 

そして、この日のセミナーに参加したニューカマー達の
これからの活躍にぜひぜひご期待ください!



(五十嵐)


 

2014年5月20日火曜日

甲斐絹と甲府の女性たち

平成26年5月12日(月)、甲府商工会議所さんのお誘いで、
昨年12月の『水曜会』に引き続き、『女性会』にて甲斐絹とヤマナシ産地のお話しを
させていただきました。


甲府商工会議所女性会の総会後の時間を利用した講演会でした。

ビジネスにたずさわる女性のみなさんだけあって、
織物のこと、そして織物産地で頑張っている若手の活動に対して、
とても熱心に話を聞いてくださいました。


なかには、「槙田商店さんのあの傘、高かったけど買っちゃったわ!」という方も。
「あの傘」とはこの「1866(イチハチロクロク)」。 (映像はイメージです)




応援ムードがたっぷりで、とても「ホーム」感のある女性会でした。


郡内エリアから車で1時間ちょっとの甲府は、
富士吉田エリアから見ると方言もちがったりして遠いイメージもありますが、
離れていてもやはり地元なんだなあと感じました。


甲府の女性と言えば、いまNHKの連続テレビ小説「花子とアン」 が放映されています。

モデルの村岡花子は、明治26年(1893)生まれの甲府出身。

生きた時代は、講演のテーマでもあった「甲斐絹」がさかんに使われていた時代です。

村岡花子が書いた文章の中に甲斐絹が出てきたかどうかは定かではありませんが、
日頃目にする機会はあったと思われます。

ドラマに登場しているような当時の紳士たちの羽織の裏地には、
さまざまな甲斐絹が隠されていたことでしょう!


詩人の金子みすゞ村岡花子より10歳遅く生まれた山梨から遠く離れた山口県の人ですが、
それでも甲斐絹を知っていたことが、「二つの小箱」という作品からも分かります。




この作品は、以前も紹介しましたが、
小さな女の子が「宝箱のなかに甲斐絹が入っていたらいいなあ」

空想するようすを描いています。

時代の前後関係を年表にしてみました。

村岡花子が14歳、東洋英和女学校に給費生として通っているころ、
夏目漱石は、職業作家としての処女作、『虞美人草』の中で甲斐絹を取り上げています。






甲斐絹が「光線をきらきらとあつめる」とはどんな状態なのか、
それを知るには、下の動画をご覧ください。




video


甲斐絹が、撚りのほとんどない無撚糸を使って

たて糸、よこ糸をそれぞれ違う色に染めてから、緻密に織っているので
これほどの光沢感をうみだすことができたのです。

下の写真は、この動画の生地を顕微鏡で拡大したところです。
糸に撚りがかかっていないこと、ぎっしりと緻密に織り込まれていることがわかります。
この画像で、幅2ミリ×高さ1.5ミリくらいの範囲です。


顕微鏡で拡大してみた甲斐絹


この先染め織物ならではの美しさは、平成26年5月6日にテレビ放映された
NHKイッピン「変幻自在!カラフルに輝く布~山梨 甲州織物~」 の中でも
取り上げられ、たいへん詳細かつ明快な説明がされていました。

ご覧になっていない方は、ぜひ再放送をご覧ください!
(再放送予定は直前にならないと分からないため、現時点では何日かは不明です)



甲斐絹の時代に村岡花子が生まれた甲府の街で、
100年後の甲府の女性たちに甲斐絹とヤマナシ産地のお話を

させていただいたレポートでした。



(五十嵐)



2014年5月2日金曜日

ヤマナシハタオリトラベル in 渋谷ヒカリエ!


5月1日(木)から、渋谷ヒカリエ5Fクラフトビューローで、「ヤマナシハタオリトラベル」がはじまりました!








昨年8月~9月に引き続き、好評におこたえして2回目の出店です!

会期はゴールデンウィークをはさんだ、5月1日(木)~5月14日(水)までの2週間。
前回よりもパワーアップした各ブランドをぜひ見に来てください!

色とりどりの三角旗のガーランドは、それぞれのハタヤさんのオリジナル生地でできています!
ヤマナシ産地がいろいろな生地を作っていることがわかりますね。



  今回の会場のあちこちにあるこのバナーは、
  それぞれのハタヤさんが自社の旗印を掲げて集っていることをあらわす『ハタヤの旗』。  生地にシルクオーガンジーとヨーロッパリネン(もちろんヤマナシ産)、
  そして各社の織物がつかわれています。

  小枝もヤマナシ産で、2月に降った観測史上最高の大雪で折れた枝を
  近所の森で拾ってきたもの。100%天然素材、100%ヤマナシ産です!



 


  それでは各社のブランドをご紹介します。



"Bride ale"  by 宮下織物
パーティドレスなどの華やかな生地でできたふくさ、小物入れやボタンが人気です。
あの「ロックの神様」が着ていた幻の生地も。   ※売り切れ注意!

"kichijitsu" by 光織物
あちこちでブレイク中のおまもりぽっけ、GOSHUINノート。
GOSHUINノートの新柄がGW明けには登場します。





"cocioroso" by 田辺織物
折り紙やコケの質感を楽しめる新しい座布団。フローリングのリビングにもOK。



このコシオロッソ(cocioroso)、以前シケンジョにいた高須賀活良君が
田辺織物さんと取り組むブランドですが、
ちょうどいま、高知県のセレクトショップ&ギャラリー「アトラクト」で展示会「座布団展」が開催されています

GWに四国へ行かれる方はぜひこちらもどうぞ~



 コシオロッソ 座布団展

 座布団生地を作り続けて50年の老舗メーカーと気鋭のテキスタイル・デザイナーとのコラボレーションで生まれた、

 お洒落な座布団の数々が展示されます。

 日程/2014年4月23日(水)〜5月25日(日)
 時間/10:30〜20:00
 会場/ラルゴ・ギャラリー

 ※アトラクトHPより http://www.attract-em.com/index.html




"富士桜工房" by 山崎織物
ことし盆栽デビューした山崎博之さんのイチオシ企画、盆栽柄ネクタイ!
猫と盆栽が好き、というキャッチフレーズどおりの有言実行ブランドです。

"TORAW" by 渡小織物
新しいトラッドを織る、渡小織物の新ブランド!
"Opiyo" by 武藤
極上の素材と技術だからできる極薄・軽量のふんわりストール。
初夏のプレゼントにもぜひ。

"kai's organic products" by 前田源商店
オーガニックコットンによるシンプルでスタンダードな
自分らしい洋服を提案する新ブランド。
"ALDIN" by テンジン
使うほどになじんでくる高級リネン。母の日プレゼントの王道ですね。


"moZaiQue"など by 槇田商店
日本を代表する傘地メーカーと言っても過言ではない老舗ならではのオリジナル傘!
梅雨入り前に「本物」を一本ゲットするのもよし。





このヒカリエの会期中、そしてその後には、

ヤマナシ織物産地、TV放映が続々予定されています。

5/6(火) 19:30~
イッピン[NHK BSプレミアム]
「変幻自在!カラフルに輝く布 ~山梨 甲州織物~」

5/8(木) 8:15~

あさイチ[NHK総合]
『"JAPA"なび 移住者続々 富士河口湖町』

5/21(水) 19:00~

ウッティ発![テレビ山梨(UTY)]


一昨年からのヤマナシハタオリトラベルの活動が、じわじわといろんなところへ
 
情報を届けてくれていることを実感しています!

ハタヤさんたちもテレビ続々登場します。ぜひご覧ください~。

そしてゴールデンウィークはどうぞ渋谷ヒカリエへ!




上の写真は、初日前日の深夜、搬入を終えて帰路につくハタオリトラベラーたち。
予想以上に早く設営が終り、疲れつつもテンションが上がった状態です。

これから2週間、毎日交代で誰かが渋谷ヒカリエでお待ちしています!




(五十嵐)