2014年7月14日月曜日

シルクを溶かしてリネンを残す

先月、
ポリエステルに微量の麻の混じった糸の断面出し、そして麻を75%硫酸で溶解させる記事をご紹介させていただきました。

今度は、シルクと麻の混紡糸がシケンジョに持ち込まれてきました。
0.1~0.2g程度の糸を、塩素溶液(アルカリを添加した)に入れて激しく揺さぶります。


塩素溶液で溶けるのは、シルクのほうです。
ビーカ内にはリネンが残ります。

 
塩素溶液は塩素ガス発生を防ぐためにアルカリが添加されています。
このため、酢酸液等で中和し、リンスします。
減圧するとリンスの液がすーっと下の瓶に流れ落ちていきやすくなります。
 
こうして残ったリネンを再び完全にカラカラに乾燥させた重量を測定し、繊維組成が確定することになります。
 
これらの溶解性の違いは、後加工(例えばオパール加工等)にも利用できそうな気がします。
 
(上垣)